俺様御曹司の悩殺プロポーズ
私が知っていることを全て話すと、
「なんだ、あらかた知られていたのか」
風原さんはそう言った。
彼の口から教えてもらう以前に知ったことが悪いことだった気がして、私は慌てた。
「ごめんなさい! 探ったわけじゃないんです!
あの、たまたま知ってしまったというか……」
言い訳をする私の言葉を遮り、風原さんは穏やかな声で言った。
「怒っているわけじゃないから、謝らなくていい。いずれお前に話さなければと思っていたことだしな。
余り気分のいい話じゃないから、今まで言うのをためらっていたが……」
風原さんが無言になってしまったので、気になって首を捻って後ろを見た。
彼はまだ椿の花に視線を止めていた。
庭を眺めているけれど、その目はもっと遠くを見ているみたいに感じた。
しばらく黙ってから、風原さんは静かに話し出した。
「この庭を見ていると思い出すんだ。昔のことを……」