俺様御曹司の悩殺プロポーズ
「危ないだろ! 土鍋をひっくり返したら、本当に火傷して……小春?」
私はしゃがみ込んで、さっきの白い封筒を手に取っていた。
やっぱり気になるこの手紙。
『お前が気にするようなことじゃない』と言われても、差出人が女性だと思うと中身を確認したくなる。
腕を引っ張られて、立ち上がらされた。
私の手から封筒を抜き取った彼は、
「お前って、意外とヤキモチやきだよな」
そう呟いて、封を破っている。
「え? 私が見てもいいのですか?」
「見たいんだろ? 俺宛てのファンレターを見て、お前が面白いかはわからないがな」
中身はB5サイズの白い用紙が、四つ折りにされて二枚入っていた。
手書きではなく、パソコンで打ち込まれた文字だ。
それを私にも見えるように広げてくれた風原さんだったけど……。
「は……?」と言って驚いた後は、自分の顔の前に持って行って独占して読んでいる。
私が読めたのはほんの二三行で、【久しぶりだな】とか、【好き勝手やらせてやったことをありがたく思え】とか、
ファンレターにしては、おかしな書き出しの手紙だった。