俺様御曹司の悩殺プロポーズ



女性からのファンレターだと思い込んでいたけど、違ったのかな?

だとしてら、それは誰からの手紙?

風原さんは、どうしてそんなに驚いた顔をして読んでいるの?



手紙を読む彼の表情は、驚きから不機嫌に変わっていった。


「風原さん?」


そう呼びかけたところで、ビリリと紙が破かれる音が響いた。


肩をビクつかせる私。


彼の手で真っ二つに裂かれた手紙は、彼の足によって踏みつけられていた。


戸惑う私に、風原さんは言う。


「父親から」


「お、お父さんの手紙?
それで、どんなことが?」


「馬鹿馬鹿しい内容だ。俺の人生計画書が勝手に作られていた」


「え?」



詳しく聞くと、こんな内容らしい。


【久しぶりだな。アナウンサーという下賤な仕事に飽きた頃だろうと思い、手紙を書く。

今まで好き勝手やらせてやったことを、ありがたく思い、大人しく帰ってこい。】


そんな書き出しの後は、風原さんの転職について書かれていたみたい。


ある大物政治家が後継者を探しているそうで、その人の秘書として働きながら風原さんに政治家になるための勉強をしろというのだ。


今年の秋までに桜テレビを退社して、政治家の秘書になる。

働きながら政治を学び、次の衆議院議員選挙に出馬して国会議員になるという、計画が書かれていた。


アナウンサーになる時に勘当されたも同然に家を出たと言っていたけど、風原さんのお父さんは息子の将来を諦めていなかったみたい。


官僚になるのは年齢的に無理だから、それなら政治家に……。

勝手にそんな計画を立てるのも酷いけど、アナウンサーを下賤な仕事と言ったことには、酷いを通り越して怒りが湧いてくる。


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