俺様御曹司の悩殺プロポーズ



「俺の父親は、権力に狂った哀れな人間だ。

手紙には俺を国会議員にして、行く行くは外務大臣にまで上り詰める話が書かれていた。

数十年後、兄が外務官僚トップの事務次官になっていて、俺が外務大臣に。

そうなれば、日本の外交を風原家の手中に収めることができる……そんな父親の夢物語が綴られていた」



日本の外交を自分の思うようにしたいから、風原さんを国会議員に……?

私の理解を超えた彼のお父さんの計画に、冷や汗が背中を伝って流れ落ちた。



破られ踏みつけられた手紙を見下ろしてから風原さんの顔を見上げて、恐る恐る確認してみた。



「アナウンサーを辞めたりしませんよね……?」


「当たり前だろ。 これが俺の天職だ」


「良かった……」



ホッと胸を撫で下ろした時、プルルルと電話が鳴り響いた。


スマホではなく、家の電話だ。


何となく嫌な予感がして二人で顔を見合わせてから、風原さんが壁際のリビングボードの上の受話器を取った。



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