俺様御曹司の悩殺プロポーズ
「話はそれだけですか? もう切りますよ?」
淡々と受け答えをして、通話を終わらせようとしていた彼だけど……。
「なに……?」
風原さんの顔付きが、急に変わった。
嫌悪感から焦りへ、そんな風に見える。
「待ってくれ! 父さん、それは……
あ、くそっ、切られた」
彼は受話器を叩きつけるように置き、ソファーまで来てどっかりと腰を下ろした。
両膝に肘をつき、片手で額を抑えて、足元に向け深い溜め息を吐き出している。
風原さんの後ろ姿を見ながら、私はどうしていいのかわからなかった。
何を話して、何を困って考え込んでいるのかわからない。
政治家になる話は断っていたのに、まだ何かあるの?
教えて欲しいけど、声を掛けられる雰囲気じゃなくてオロオロするばかりだ。
立ちすくむ私と、考え込んでいる風原さん。
数分して、やっと名前を呼んでくれた。
「小春、こっちに来い」
「はい……」