俺様御曹司の悩殺プロポーズ
ソファーの風原さんの隣に、静かに座った。
まだ内容を聞かされていない内から既に、嫌な予感で胸がハラハラと落ち着かない。
風原さんは真顔でじっと私を見つめてから、重い口を開いた。
「正月の箱根の一泊旅行が、父親にバレていた」
「え⁉︎ どうしてですか⁉︎
あ、まさか女将さんが、お金を渡されて喋ってしまったとか……?」
「いや、それはない。
あの宿は秘密を守れる旅館として、各界の大物達に可愛がられてきた宿だ。
小金をもらって客の情報を漏らせば、失うものが大きすぎる。
客の信用を失うことは廃業につながるから、あの宿から情報が漏れるとは考えにくい」
「だったら、どうして……?」
どうして?と彼に問いかけながら、自分の記憶の中に答えを探していた。
もしかして、箱根名物の黒玉子がどうしても食べたくて、帰りにお土産屋さんに無理に寄ってもらったのがいけなかったのかな?
帽子と眼鏡とマスクで顔を隠していたし、風原さんは車から降りずに、私一人でお店に入ったのだけど……。
あ、それともアレかな?
「東京に入るまでならいいでしょ?」とワガママ言って、初めて助手席に乗せてもらったことがマズかった?
彼女気分でドライブデートを満喫して、楽しんでしまったから……。
それじゃなかったら、途中でトイレに行きたくなって寄ってもらったコンビニで……。