俺様御曹司の悩殺プロポーズ



心の中に、不安に彩られた暗雲が広がっていく。


もしかすると……私が今一番危惧している、あれに関する呼び出しではないかとビクビクしてしまう。



無言の遠山さんに連れられて着いた場所は、7階の小会議室だった。


遠山さんがノックしてからドアを開け、私に先に入るように手で合図をした。


「失礼します」と頭を下げて中に入ると、がちゃりと後ろに鍵をかけられた音がした。


顔を上げて前を見て……「ああ、やっぱり」と心で呟く。

悪い予感は、現実の物になろうとしていた。


会議室の中には5人の男性がいて、4人はそれぞれが近い位置に立ち、1人だけが座っていた。


テーブルに向かって座っているのは、いかにも偉そうな風貌の年配の男性。


その顔を見たことがあるような、ないような……一瞬そう考えて、ハッと気づく。


その人は、桜テレビの社長だ。

下々の私がお目にかかるのはこれが初めてで、写真で顔を見たことがあっただけ。


社長以外の立っている男性達は、知っている人ばかり。


今、私を連れてきたプロデューサーの遠山さんに、チーフプロデューサーの山崎さん。

それからアナウンス部の部長と、

風原さんだった……。


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