俺様御曹司の悩殺プロポーズ
チーフプロデューサーの山崎さんが、私の前を行ったり来たり歩きながら質問する。
「君は個人指導と言われて、風原くんの自宅に度々呼び出されていた。これは事実かい?」
「はい。でもそれは変な意味じゃなくて、風原さんはダメ女子アナの私を鍛えてくれていて……」
初めの頃は本当にただの勉強会だった。
指導の厳しさに、行くのが嫌だと思う時もあったくらいに。
自宅に足しげく通っていたことを変な意味に取られないよう、どんな勉強をしてきたのか詳しく話そうとしたけど、言わせてもらえなかった。
チーフプロデューサーは矢継ぎ早に質問を浴びせる。
それらは全て私達の関係がまるで淫らだと言わんばかりの聞き方で、
「仕事中に楽屋で密会していたのか?」とか、
「忘年会をふたりで抜け出し、どこで何をしていたんだ?」とか、
答え難い質問が数分続いた。
そして最後の質問はやっぱりあの件に関することで、こうやって問い詰められているのは風原さんのお父さんが動いた結果なのだと思い知る。
「正月に箱根の温泉旅館にふたりで一泊したそうじゃないか。それも認めるかい?」
「はい……で、でも!」