俺様御曹司の悩殺プロポーズ
その言葉に少し驚いてから、飛び上がって喜んだ。
まだテレビに映る仕事が少ない私。
MCの仕事は、さっきの土曜ミルクカフェのみ。
ミルカフェは、飲食店の紹介などローカル情報を伝える、週一たった15分の生放送だ。
ニュースはまだ読ませてもらえず、他はたまに舞い込むリポートの仕事や、イベント司会ばかり。
テレビ画面に映る時間は先輩達にくらべると本当に少ないので、
斎藤部長の言う“新しいテレビの仕事"に期待が膨らんだ。
「やります!やらせて下さい!
精一杯、頑張ります!」
どんな内容かも聞かない内に、既にやる気満々の私。
頭には、田舎の家族の顔が浮かんでいた。
田舎の祖父ちゃん祖母ちゃんは、ミルカフェを毎週欠かさず見てくれて、
「うちの小春が、テレビさ映ってるべ〜!」
と喜んでくれる。
父ちゃん母ちゃん、兄に妹に弟も、いつも私を応援してくれる。
家族だけじゃなく村のみんなも、「おらが村からスターが出た!」と言って、
女子アナになれた時には、村民総出の祝賀会を開いてくれた。