俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


その言葉に少し驚いてから、飛び上がって喜んだ。



まだテレビに映る仕事が少ない私。

MCの仕事は、さっきの土曜ミルクカフェのみ。

ミルカフェは、飲食店の紹介などローカル情報を伝える、週一たった15分の生放送だ。


ニュースはまだ読ませてもらえず、他はたまに舞い込むリポートの仕事や、イベント司会ばかり。



テレビ画面に映る時間は先輩達にくらべると本当に少ないので、

斎藤部長の言う“新しいテレビの仕事"に期待が膨らんだ。



「やります!やらせて下さい!
精一杯、頑張ります!」



どんな内容かも聞かない内に、既にやる気満々の私。


頭には、田舎の家族の顔が浮かんでいた。



田舎の祖父ちゃん祖母ちゃんは、ミルカフェを毎週欠かさず見てくれて、

「うちの小春が、テレビさ映ってるべ〜!」

と喜んでくれる。



父ちゃん母ちゃん、兄に妹に弟も、いつも私を応援してくれる。


家族だけじゃなく村のみんなも、「おらが村からスターが出た!」と言って、

女子アナになれた時には、村民総出の祝賀会を開いてくれた。



< 4 / 452 >

この作品をシェア

pagetop