俺様御曹司の悩殺プロポーズ



「日野さん、キツかったら合図してくださいね。
僕がフォローしますので」


雨雲くんにそう言われた。


すっかり頼もしくなった雨雲くん。

初めてカメラ前に立った時はまともに原稿を読むことができなかったのに、今では私をフォローするとまで言えるようになっていた。



お天気コーナーはもう雨雲くん一人で十分で、私はいらない気がする。


任期は3月末までだけど、今すぐ私が降板しても何も困ることはないだろう。


そのことにホッとしつつも、淋しくもあった。


心配してくれた雨雲くんに力なく微笑んでから、自分の仕事をするべくカメラをまっすぐに見た。



耳にしているイヤホンから、スタジオの音声が聞こえる。


風原さんの聞き心地のよい声が、私に呼びかける。



「次はお天気情報です。
外は寒そうですね。雨雲くんと日野さん?」


「はい、日野です。今朝も桜テレビ前からお伝えします。

2月に入って、やっとこの時間の空が明るくなってきました。

今日の関東地方は冬晴れのいいお天気ですが、南から張り出した低気圧の影響で、風は強く気温は下がる見込みです。

それでは各地のお天気と気温を、雨雲くんからーー」



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