俺様御曹司の悩殺プロポーズ
カメラ前で私への気持ちをハッキリと言葉にしようとしてくれる彼の決意に、胸が痛いほどに締め付けられていた。
震える両手で口元を覆い目に涙を溜める私を、風原さんはまっすぐな目で見つめて言ってくれた。
「今までの私はこんなに無茶ができる人間ではありませんでした。
そんなつまらない私を変えたのは、あなたです。
あなたへの愛情が私を狂わせ、そして温かで優しい幸せを教えてくれました。
日野小春さん、あなたを愛しています。
この先私はアナウンサーとして使ってもらえるのか、まだわかりません。
それでもあなたに、付いてきてもらいたいと願っています。
何が起きてもあなただけは失いたくない……」
風原さんはそこで一度言葉を切った。
深呼吸して、それから一語一語の重みを確かめるような口調で、続きの言葉を口にした。
「どうか……私と結婚して下さい」
結……婚……。
えっ、結婚?
私、今……プロポーズされたの⁉︎
交際宣言してくれることは期待していたけど、それ以上の言葉をくれることは予想していなかった。
強い驚きと衝撃を受けた後は、視界がぼやけてしまった。
泣かずに風原さんの想いを受け止めようと思っていたのに……もう、ダメ。
勝手に涙が溢れて流れて、止まらない。
手だけじゃなく足も震えてきて、立っていられなくなった。
崩れ落ちそうになったところを風原さんの両腕が伸びてきて、腰と背中を支えてもらった。
私の体を引き寄せ、彼は催促する。
「日野さん、オンエアの時間は残り16秒です。
返事を早めに」
そ、そっか。
私が返事をしないで今日の放送が終わってしまったら、きっと局の電話回線がパンクしてしまう。
まだまともに喋れそうになかったけど、涙に咽びながら精一杯の返事をした。
「はい……うっ、よろしく、ううっ……お願いします……」