俺様御曹司の悩殺プロポーズ
チーフプロデューサー山崎さんは私達に背を向けてから、スタジオ内の全ての関係者に向けて指示を出した。
「おーい、今日の反省会はなしね。
全てが反省ポイントで、反省し始めたらきりがなさそうだからやめとくわ。
後片づけよろしくー」
山崎さんを含めたスタッフさん達は、機材を片付けたり映像を確認したり、忙しそうに動き出した。
私は涙が引っ込んで、ポカンとしていた。
なに、この空気……。
まるでドラマ撮影の『はい、カット!』と言われた後のような雰囲気だ。
感動のフィナーレも、カメラが止まれば一気に冷めて通常の現場モードに戻る……そんな感じ。
もしかして、番組終了前3分間の状況に驚いていたのは、私だけ?
みんな、プロポーズがあることまで、何もかも知っていたというの?
そうだとしたら、シナリオ的な物が作られていたということで…….。
あれ?
感極まって泣いてしまったけど、さっきのプロポーズは作り物?
お芝居だったの?
セットの床にお尻をつけたまま、混乱しながら忙しそうなスタッフさん達を見ていた。
風原さんは山崎さんと話した後、スマホで誰かと会話していて、それからやっと私の前に戻って来てくれた。