俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


“訛り”というワードにキョトンとして、ゆっくり顔を横に傾けた。



風原さんは呆れの溜め息をついて、机上に置いてあった消しゴムを手に取る。



それを私に見せて、「これは何だ?」と、おかしな質問をしてきた。



「消しゴム……」



当たり前のその名前を口にすると、「ほらな」と言われてしまう。



「正解は消しゴムだ。“ム”にアクセントがくる。

お前のは“ゴ”にアクセントが付いていたぞ。


地元で大目に見てもらえても、東京では許されない。

近々お前に、芸能ニュースでも読ませてやろうと考えていたが、計算が狂った。

まさか、ここまで酷いとは……どうするか……」




腕組みして考え込む風原さんと、しょんぼり肩を落とす私。



メイク室を出た時は頑張ろうと、確かにやる気になっていたのに、

今は……、やっぱり田舎者の私には、全国放送なんて無理かもしれないと、弱気になってしまった。



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