俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


それからしばらくの間、同じ原稿を繰り返し読まされ、

細かいダメ出しと、高尚なご指導を承った。



そのせいで本番前だというのに、私の元気ゲージが半分まで下がってしまう。



あの風原涼に直接指導してもらえるなんて、実にありがたく光栄なこと。


それを理解していても、本番前はやめてほしい……というのが本音だった。



そんな状況から解放されたのは、30分後のこと。



「時間がないな。もうスタジオ入りしないと。

また暇を見つけて、指導してやる」


風原さんがそう言って立ち上がり、


「はひ……ありはほうございまひた……」


原稿の読みすぎで口の中がカラカラになった私も、ヨロヨロしながら立ち上がった。



彼は優雅に颯爽と、スタジオへ。


私は疲れた喉と脳みそを抱えて、自分の原稿を手にアタフタしながら外へ飛び出す。



< 90 / 452 >

この作品をシェア

pagetop