俺様御曹司の悩殺プロポーズ
桜テレビ東京本社の正面口の脇には、レンガの敷き詰められた小スペースがあった。
日当たりの良いその場所に、桜テレビの象徴として、大きな桜の木が一本、大切に植えられている。
歴代の朝の情報番組のお天気コーナーは、全てこの桜とレンガの小広場から中継されていて、
モーニング・ウインドも、それを引き継ぐ形になっていた。
4月1日の今日、桜はちょうど満開で、薄ピンクの花びらがハラハラと舞い降り、とても綺麗。
その中に中継スタッフ数人と、今日から私とコンビを組む気象予報士、
“雨雲 晴男(アマクモ ハレオ)”の姿があった。
「お待たせして、すみません!」
急いで駆け寄り謝ると、雨雲晴男は嫌そうな顔してこう言った。
「初日から一番後に来るとは、いい度胸ですね。
僕なんか、一時間前にはとっくに局入りしてました。
日野さんにはもっと、新米という自覚を持ってもらいたいですね」
一時間前に局入りしたと得意げな彼に、
私なんて二時間前に来てたから!と言ってやりたかったが、グッと我慢した。