俺様御曹司の悩殺プロポーズ
喧嘩しても、何の得にもならない。
この人と二人でお天気コーナーをやる以上、上手くやっていかないと。
雨雲君は、私と同じ24歳。
背丈は男性にしては小さめの165cmで、中肉だ。
格好よくはないけれど、格好悪くもない、普通の顔をしている。
雨雲君と初めて顔を合わせたのは、昨日のこと。
挨拶と軽い打ち合わせをした時、彼は大きな独り言のように、こんなことを言っていた。
「お天気コーナーは僕一人のはずだったのに、土壇場で余計なオマケを付けられるなんて、ついてないよな。
しかもオマケはマヌケ。
制作サイドと風原涼は、一体何を考えているんだ。
ダメ女子アナの面倒をみないといけない、僕の身にもなって欲しいよ、まったく……」
私も雨雲君も、この春から社会人三年目に入ったばかりの、まだ新米。
その点に親近感を覚え、仲良くなれそうだと思っていた私だが、
その淡い期待は、昨日崩されていた。
彼の大きな独り言にはムッとしたけれど、間違ってはいないし、彼の気持ちも理解できる。
確かに私は、余計でマヌケなオマケ。
同期の雨雲君を“さん”付けで呼ぶ気はないけど、
宜しく面倒みて下さいと、頭を下げるしかないようだ。