迷い羊に連れられて
正直、ずっとトイレにこもっていたい気分だった。

裕太さんのお兄さんが高宮先生だということにも驚いた。

だけどそれ以上に、私が裕太さんと付き合っているということを知られたことと、先生の彼女を見てしまったことが、嫌だった。



私はその時、気付いてしまった。

自分の気持ちに。




裕太さんの部屋に戻ると、裕太さんが申し訳なさそうに口を開いた。



「おかえり。じゃあそろそろ時間だし、俺も留年するとまずいからさ、帰るか。」

「いいですよ。だけど......1つお話いいですか?」
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