桜の花が散る頃に
pattern 川相智祐
「血…とりますね」
「はい…」
 俺の名前は川相智祐。
 身体が弱く、最近はまとに学校へ行けていない。
 珍しく学校に行ったは行ったで校内は「人殺し」だなんだって、小柄な短髪少女をいじめていた。
 「やめろよ」
 と言えなくてムカムカしていたら、たくさんの【何か】が込み上げ吐血した。
 何故こんなに体が弱いのか。分かる訳がない。
 俺自身だって、もっともっと強く育ちたかった。
 みんなと外を走り回り、普通に、当たり前のように授業を受けたい。バカみたいに騒いでみたい。
 だけど、俺にはできない。
 分かっている。
 どんなに頑張ったとしても【普通】にはなれないのだから。
「~♪終わりましたよ
何かあったらこちらのナースブザーならしてね」
「はぃ…ありがとうございました」
 世の中は平等だとかそんなことをいう人はたくさんいるけれど、平等なんてことがあるわけない。
 何が平等だ。
 そんなの全部嘘だ。
 嘘ばかりで、理不尽で、最悪な世界で俺は息をしているのだ。
< 5 / 6 >

この作品をシェア

pagetop