隣の席の君
朝、目覚めると
腕枕をされたまま抱きしめれてた


そっとベッドから出ようとしたら
抱きしめられてる腕に力が入った


「…ここにいて」


そう言われたから、もう一度
嵐を抱きしめた


「隣に誰かがいるってこんなに温かいんだな」


嵐の孤独に触れる度に
心が切なくなる


嵐はどれだけの孤独と暗闇を
1人で歩んできたんだろう

独りぼっちで…


私は嵐に温もりを与え続けたいよ


もう一度力を込めて嵐を抱きしめた


少しの間そうした後
起きる事にして、リビングでコーヒーを淹れた


「朝ご飯食べれる?」


蒼兄は低血圧だから朝は食べない

だから聞いたんだ


「食べる」


素っ気無い返事が返って来たけど
同じ朝を迎えて、同じ朝食を食べれる事が嬉しかった


朝ご飯は和食にした

ご飯とお味噌汁とだし巻きとほうれん草のお浸し


「美味い!!
朝からちゃんとしたの食ったの初めてかも」


「これからは毎日食べれるよ」

微笑んで言うと、嵐も微笑んでくれた


朝食を食べて着替えをして
ソファに座ってる嵐に手招きされた


「どうかしたの?」


返事もないまま嵐に逆の方向を向かされて
嵐の膝の間にすっぽりと収められて
後ろから抱きしめられた


そのままの体勢で嵐はテレビのチャンネルを変えてる

どのチャンネルも歌手が結婚した話ばかりしてた


嵐は適当な番組をかけるとリモコンをその辺に置いて
私の前に手を回した


恥ずかしくて嬉しくて…少し緊張する


そのままでテレビを見てるとインターフォンが鳴り出した


「ちっ…うっせーな」


不機嫌そうに私から離れた

緊張してても嵐が離れると何だか寂しい

誰か来たのかな?


嵐はモニターフォンで会話を始めた


【嵐~開けて?】

明君だ

「朝から何だよ?」

【遊びに来たんだよ
早く開けてくれって】

「はぁ~」

嵐はため息をついてロックを解除した



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