ショータロー☆コンプレックス2
しばらく無言だった辻谷はおもむろに口を開いた。


オレはすっかりリラックスしきって、車窓を流れる景色をぼんやりと眺めていたので、一瞬何の事を言っているのか理解できなかった。


「……え?」


「だから、デートの話だよ。どうせ雑誌かネットに載ってたプランをそのままパクったんだろ?」


「ああ、うん……」


つーか、この話、まだ続いていたのか。


「だってオレ、あんまりオシャレな店とか知らないし。その為のガイドブックなんだから、別に参考にしても良いじゃん」


それに、瑠美ちゃん自身も奥手な子で恋愛経験値は低く、学生時代に付き合い始めた初カレと数年前に別れてからは恋人と呼べるような人はいないみたいだし、こないだのオレのデートプランに反発や不満を抱いている様子は微塵も見受けられなかった。


オレ達が楽しんで満足できたんだから、別にそれで良いじゃんか。


「まぁ最初のうちは仕方ないけどな。でも、やっぱ日頃から自分の足で情報収集して、御用達の店を何件か見繕っといた方が良いぜ」


オレの心の声など当然聞こえる訳もなく、辻谷はマイペースに続けた。


「リーズナブルでも、味もセンスも良い店ってのは結構あるもんだし。そういう所を自力で見つけて女の子に紹介できたら、その方が何倍も嬉しいだろ?」


「そりゃまぁねぇ……」
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