ショータロー☆コンプレックス2
「俺はいくつかあるぜ、そういう、お気に入りの行きつけの店。気分によって使い分けてんだ。あ、何だったら、参考までにこれから連れてってやろうか?ちょうどこの近くに、ディナーでもランチ料金とさほど変わらず飲み食いできる店があるから」


「あ、いや……」


何でコイツこんなにテンションが高いんだろ、と若干戸惑いつつ言葉を繋いだ。


「ちょっと今、喉やられてるから、遠慮しとく。早く帰って寝たいし」


「え?風邪か?」


「うん。多分」


「熱はあんのか?」


「測ってないけど…。何かダルいから、微熱くらいはあるかも」


稽古場を出た時より、さらに倦怠感が増して来たように思う。


やっぱり、今日は早く帰って正解だった。


「ふ~ん。そっか、じゃあ仕方ねぇな……」


そう言って辻谷は案外あっさりと引き下がったが、しかし次の瞬間、突然ハッとしたようにこちらに視線を向けた。


「風邪をひいてる!?」


「え?う、うん。てか、ちゃんと前見て……」


運転してよ、とオレが言い切る前に彼は素早く顔を前に戻し、何やら考え込んでしまった。


な、何なんだ一体……。


呆気に取られながらその横顔を見つめていると、突然「よし」と力強く頷き、辻谷は宣言した。


「今から、病院に行くぞ!」


「へ!?」
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