ショータロー☆コンプレックス2
「は?何でだよ。大分離れてるけど?」


「え?だって……」


「あ。悪いけど、先に中に入っててくれるか?一件電話をかけなくちゃいけない用事があるから」


辻谷は忙しなくジーパンのポケットからケータイを取り出しつつそう言うと、次いで顎をクイっと動かし、建物の方向を指し示した。


「…うん、分かった」


その仕草がいかにも『さっさと降りろ』って感じで、とてもじゃないけどそれ以上は会話が続けられず、オレは仕方なく車から出た。


何とはなしに辺りに視線を配りつつ玄関へと向かう。


閑静な住宅街の中の、自宅と思われる棟と隣接している、いかにも個人経営という感じの、こじんまりとした医院だった。


ただ、建物自体はそんなには大きくないけど敷地面積が結構広く、車12、3台は余裕で停められそうだ。


今現在、その半分くらいが埋まっている。


やっぱ医者にかかるような人は車で送迎される確率が高いし、駐車場がきちんと用意されていないと厳しいもんな。


玄関脇にある案内板の前で一瞬立ち止まり、素早く視線を走らせると、診察時間は9時半から19時までとなっていた。


ちなみに水曜日の午後と日、祝祭日は休診らしい。


診療科目は内科と循環器科。


【循環器】ってのが体のどの部分を指しているのかイマイチ良く分からないけど、とにかくオレは内科にかかりたいんだから、そこは深く考える必要ないよな。
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