ショータロー☆コンプレックス2
「えっ。あ、ありがとうございますっ」


オレは慌ててTシャツの中に手を突っ込み、体温計を取り出した。


言われた通り、すでに熱は計測されていたようだ。


ディスプレイには、37度6分という結果が。


思っていたよりも高かったのでギョッとした。


そして何だかさらに体がだるくなって来る。


それまではそうでもなかったのに、熱があると自覚した途端に、一気に弱るんだよな、人間の心と体って。


「病は気から」とは良く言ったもんだ。


「そしたらね、その紙と体温計は、窓口に持って行った方が良いわよ」


先ほど声をかけてくれた女性がさらにアドバイスをしてくれた。


「いつもは事務員さんが取りに来てくれるんだけど、今、手が離せないみたいだから」


「あ、そうなんですね」


その言葉に促されて受付を見ると、確かに、事務のお姉さんは診察を終えた患者さんの会計や薬の授受をするべく、カウンターの中で忙しく動き回っている所だった。


学校帰りの学生が診察を終え、代わりに会社帰りの勤め人が訪れるであろうこの時間帯はちょうど混雑がピークに達するのかもしれない。


これだけの人数に一人で対応しなくちゃいけない訳で、ほんの数10秒の事だとしても、カウンターを抜け出してここまで書類を取りに来るのは確かに時間のロスとなる。
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