ショータロー☆コンプレックス2
熱はあるけど別に動けないって程ではないんだから、女性の言う通り、自分で置きに行く事にするか。


立ち上がり、心なしかふらつく足取りを整えながら窓口まで歩を進め、「これ、お願いします」と言いながら書類と体温計をカウンターに置いた。


「あ、ごめんなさい。お預かりしますね」


恐縮しながらそれを手に取る事務員さんに「いえいえ」と笑顔で返答し、再び先程の場所に腰かけた所で、改めて隣の女性に礼を言う。


「教えてくださって、ありがとうございました」


「いいえ~。どういたしまして。ここにかかるのは初めてなの?」


「あ、はい。そうなんです」


間近で対峙しているせいで、女性の目尻や口元のシワやシミソバカス、ちょっとぼやけた頬の輪郭などが自然と目に入って来た。


それらのデータから、おそらく50代半ばくらいだろうと推測する。


もちろん、歳を取れば誰だってそうなるんだし、見たままを素直に描写しているだけで別に他意はない。


それに、歳を取っているイコール魅力がないなんて事では断じてないし。


むしろ、全体的にコロコロしていて、見るからに人の良さそうな、とても愛嬌のある、可愛らしい女性だった。


「知り合いに風邪ひいたって言ったら、オススメの病院があるからって言って、ここまで連れて来てくれたんです」
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