いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


「今日は、心咲を俺の父さんと母さん、それから仁奈に紹介しようと思って」


思いもしなかった言葉に、私は目を丸くする。


お父さんとお母さんって、春斗のだよね………?


それに、仁奈さんにも?


私がポカーンと口を開けていると、


「心咲、びっくりしすぎ」


って、春斗が面白おかしそうに微笑む。


「もう、父さんと母さんには言ってあるから。今日、彼女を連れてくるって」

「へっ?」

「でも大丈夫だよ。そんなに緊張しなくても。俺の父さんと母さん、心咲に会うのすごく楽しみにしてるから」


急な展開に、まだ頭がついていかない。


春斗があまりにもにこにこ嬉しそうにしてるもんだから、ついつい忘れそうになってしまうけど………。


春斗、分かってる?


私、病気なんだよ?


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