いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
「さぁ、食べましょうか」
1階へ降りると、もうお母さんが全部の準備を済ませてくれていて、あとは食べるだけになっていた。
今日のお昼ご飯は、ミートスパゲティだ。
「今日、お父さんは仕事なの?」
「ええ、そうよ」
「お父さんも毎日大変だね」
お母さんとお姉ちゃんの何気ない会話を聞きながら、私は早速ミートスパゲティに口をつけた。
「ん~!美味しい!」
あまりの美味しさに、私の頬がついつい緩む。
お母さんの作るミートスパゲティは、いつ食べても本当に美味しいんだよね。
決してお母さんの自慢をするわけじゃないけど、お母さんの料理はお店にも平気で出せちゃうと思うの。
「紗和と心咲は、本当に美味しそうに食べてくれるわよね。お母さん、それだけですごく嬉しいわ」
お母さんが、幸せそうに笑う。