あと少しの恋
希瀬さんをちらりと窺う
「なんだよ」
「なんでもない」
「良かったじゃん
いつも追いかけてたんだから」
「良くないです」
「なんで?」
希瀬さんはしれっと訊きながら揚げ出し豆腐に箸をつけた
「うっ···」
希瀬さんが好きだなんて言えない
「したかっただけだろおまえ」
私は頬が赤くなり恥ずかしさのあまり希瀬さんの頬を叩いてしまった
「っ···いってぇな」
「ごめんなさい」
「おまえそういうとこわけわかんねぇよ」
「希瀬さんがそんなこと言うから
からかわないでください」
「なにやってんの希瀬
また鈴を泣かせてんの?」
由貴さんが戻るなり助け舟をだしてくれた
なのに私はまた文句を言ってしまった
「助けてくれなくてよかったのに
私、帰りますね」
「送るよ鈴」
「大丈夫です」
歩きだした私の手を掴んでずかずかと先に行く希瀬さん
「つーかなんなんだよおまえ」
お店のドアを出て階段の踊り場の壁に背がついて息がつまりそうになる
目の前には希瀬さん
つまりは今流行りの壁どんなわけだけど
現実はあまくない
「なんなんだよおまえって帰ろうとしただけですよ」
「あきらかに態度おかしいだろ」
「別に
希瀬さんだってやりたいだけなんてひどくないですか」
私は希瀬さんを振り切って階段をかけあがり追いつかれないように走り出した
横断歩道が赤に切り替わる寸前、クラクションの音が耳に響いた
一瞬だった
走って渡ろうとした私と曲がってきた車が接触しそうになったのは
でも私は反対側に突き飛ばされていた
「希瀬さん」
呼びかけようと詰め寄ると希瀬さんは咳き込みながら
「バカだなおまえ」
その後、駆けつけてきた警察に事情を話し救急車に乗り込んだ
救急車の中では泣くのを必死に堪えていた
病院に着くなり長い時間を待合室で祈りながら泣いていた
「大丈夫?」
「なんだよ」
「なんでもない」
「良かったじゃん
いつも追いかけてたんだから」
「良くないです」
「なんで?」
希瀬さんはしれっと訊きながら揚げ出し豆腐に箸をつけた
「うっ···」
希瀬さんが好きだなんて言えない
「したかっただけだろおまえ」
私は頬が赤くなり恥ずかしさのあまり希瀬さんの頬を叩いてしまった
「っ···いってぇな」
「ごめんなさい」
「おまえそういうとこわけわかんねぇよ」
「希瀬さんがそんなこと言うから
からかわないでください」
「なにやってんの希瀬
また鈴を泣かせてんの?」
由貴さんが戻るなり助け舟をだしてくれた
なのに私はまた文句を言ってしまった
「助けてくれなくてよかったのに
私、帰りますね」
「送るよ鈴」
「大丈夫です」
歩きだした私の手を掴んでずかずかと先に行く希瀬さん
「つーかなんなんだよおまえ」
お店のドアを出て階段の踊り場の壁に背がついて息がつまりそうになる
目の前には希瀬さん
つまりは今流行りの壁どんなわけだけど
現実はあまくない
「なんなんだよおまえって帰ろうとしただけですよ」
「あきらかに態度おかしいだろ」
「別に
希瀬さんだってやりたいだけなんてひどくないですか」
私は希瀬さんを振り切って階段をかけあがり追いつかれないように走り出した
横断歩道が赤に切り替わる寸前、クラクションの音が耳に響いた
一瞬だった
走って渡ろうとした私と曲がってきた車が接触しそうになったのは
でも私は反対側に突き飛ばされていた
「希瀬さん」
呼びかけようと詰め寄ると希瀬さんは咳き込みながら
「バカだなおまえ」
その後、駆けつけてきた警察に事情を話し救急車に乗り込んだ
救急車の中では泣くのを必死に堪えていた
病院に着くなり長い時間を待合室で祈りながら泣いていた
「大丈夫?」