艶麗な夜華
グラスを合わせる事なくウイスキーを一口飲む。



そんな彼の横顔は美しく、


その手のしぐさもまた、美しい。




「綺麗……」




思わず零れたそんな言葉に、


恭也が不機嫌な声を出す。



「んあ?」




「いや……その……なんでもないです」



あたしはグラスのお酒を勢いよく飲むと、


下を向いた。




2人きりになるのは初めての事じゃないのに、


今日はやけに緊張して、


苦手なお酒をどんどん飲んでしまう。



「お前大丈夫か?」



「大丈夫だよーだ!アハハハッ」



お酒の力に任せた恭也との会話は……


いくら思い出そうとしても、


次の日には全て消えていた。
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