艶麗な夜華
そんな独り言を漏らすと、


恭也はカウンターの椅子に座りキツイ目であたしを見る。



「お前…」


「は~い!

文句言わずにやりま~す!」


怒られると思い、


忙しく手を動かすあたし。


でも、恭也が口にした事はそれとは違った。



「愛華に騙されるなよ」


「ん?」


「あれはアイツの得意の手口だ。


妬いてるフリして相手の気を引く」


「あぁ……そんな事言ったら自分は飴とムチじゃん」


「なにが?」


「なんでもな~い」



後片付けが終わり椅子に座ると、


グッタリと冷たいカウンターに体を伏せる。



「おい、寝るなよ」


「ちょっと疲れた~」


「ったく。それよりお前、


ちゃんと食事はとってるのか?」


「今日はまだなにも食べてない。


っていうか、恭也がそんな事気にする立場?」



「ではないな」



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