艶麗な夜華
階段を駆け下り人通りの多い道を一気に駆け抜け、


誰もいない路地裏に入ると倒れるように座り込む。




電信柱に寄り掛かり、


とめどなく流れる涙は、


もう自分の力では止める事はできなかった。




泣き続ける事……どのくらい経っただろう。



突然聞こえてきた低い声は……


あたしに向けられたもの。




「おい、人の店の前で泣いてんじゃねぇ。


営業妨害のつもりか」

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