艶麗な夜華
女の子に散々文句を言われ、


足早にスタッフルームを出るとドアの前に立っていたママ。



「お疲れ様……沙希ちゃん……」



戸惑った様子のママは、


それを聞いていたようで。



でもママは、下を向くあたしになにも言葉をかけてはくれなかった。



ドアの向こうから聞こえてくる女の子達の声。



「あはははっスズカさん沙希ちゃんに言い過ぎ！」



「そうかなぁ？」



「あれじゃあ沙希ちゃん、本当に此処辞めちゃうんじゃない？」



「その方がいいでしょ？」



「まぁ～ね！」




ママは急になにかを思い出したかのように独り言を話すと、


あたしの前から立ち去った。



「あっ！そうだそうだ！」



その瞬間あたしは、"この人の下では働けない"


そう強く思ったんだ。

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