艶麗な夜華
「はははっまぁこれで、


お前が見栄を張って嘘を言ったって事実は消えたしいいだろう」



「その為に恭也……あたしの為に……?」



こんな事をされたらあたしはますます……


恭也の事を好きになってしまう。



「なぁ沙希?」



「ん?」



「これから予定はあるか?」



「ないよ」



その答えと共にアクセルを上げる恭也。



「今から星を見に行くぞ。


まだ、店はオープンしてないが、


今日、完成はした」



「えっ?じゃあ、オープンはいつ?」



「改装したてはゴミが凄くてな、


すぐにテーブルの上がホコリだらけになっちまう。


1週間もすれば落ち着くから、


オープンは今日から1週間後だ」




1週間後、恭也はホストクラブのオーナーになり、


そしてあたしはもう、


お店の後片づけを理由に恭也と会う事はなくなる。



それを思うと、恭也のお店の完成は嬉しい事なのに、


"おめでとう"の言葉がどうしても出なかった。





車を走らせる事15分。



信号で停まると恭也が窓を開ける。



「今日はそんなに寒くねぇな。


それよりお前、迎えに行った時あんなところに突っ立ってたけど、


本当は誰か迎えにくる予定だったのか?」

< 659 / 700 >

この作品をシェア

pagetop