艶麗な夜華
「今まではあんな感じの服しか売ってなかったから仕方なく着ていただけで、


本当はこういう、


誰ともかぶらないファッションをしたかったんだっ」



パイロットとかぶってるだろ!!



あたしは、ハンガーに掛かった服を手に取る。



「っていうか……なにこれ?


黄色の蛍光色のジャンバーって……


どこかのスタッフ?」




「いいだろそれ!


ネオンカラーのブルゾン!」



「言い直さなくていいから!


えっ!しかも3万円もするの?」



本気でこんな服をいいと思っている翔に、


徐々に腹が立ってきたあたし。



「高そうに見えないところがいいんだよ!」



「3万もするんだったら、


3万に見える服の方がいいだろ!!


っていうか、こんな服誰が買うのよ!!」



「えっ?」
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