センチメンタル・スウィングス
今のは言い過ぎたかな。
でも・・・自分を守らなくちゃ。
この人に頼って甘えるのは、もう止めないと、引き返せなくなってしまう。

「あの、いずみさ・・」
「おつかれ!気をつけて帰れよ」
「あ・・・・・・はい」

この人を拒絶して、境界線を引いたのは、私なのに。
彼から離された手が妙に冷たく感じるのは、なぜだろう。

私はなぜか泣きそうになりながら、和泉さんとは反対の方向へ、2・3歩歩いたとき。
背後から彼が抱きしめてくれた。

「・・・言ったろ」
「な、なにを・・・」
「俺、実は短気だって。そいでもって、独占欲も強いって」
「あ・・・そう、でしたね」

・・・彼の温もりを感じるだけで、私は安心する。
彼に触れられただけで、私の鼓動がドキドキ高まる。

こんなことできるの、今は和泉さんしかいない。

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