センチメンタル・スウィングス
「だったら、私に電話しろと言わないで」
「おい桃子・・・」
「仕事中に名前で呼ぶのはやめてください」
「何怒ってんだよ」
「もう私、あなたの家には行かないから、私の家にも来ないでください」
「な・・なんだよ、それ・・・」
「終わりよ!ううん・・・やっぱりこんなの、最初から始まってもなかった」
「もも・・・」
「私の心を揺らして弄ぶのは、もうやめてください!」
「桃子。俺の話・・・」
「仕事に戻るので、手を離してください」

・・・弁解も言い訳もなし、か。
昨日の夕方みたいに“ゆっくり”じゃなく、和泉さんは、サッと私の手を離した。

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