センチメンタル・スウィングス
私はベッドからガバッと起き上がると、サイドテーブルに置いていたスマホをひったくるように取って、画面を見た。

「なんでいまごろ・・・」

「終わりだ」と言ってから、5日経ってるのに。
しかも夜の10時過ぎに、なんで電話かけてきたの?
今頃和泉さんは、「仕事のつき合い」で、飲みに行ってるんじゃ・・・。

それでも私は、緑のボタンを押していた。
別に和泉さんからの電話なんか、待ってなかったし!

「もう電話もかけてこないでって言ったでしょ!」
「いーや言ってない」
「・・・いずみさん?なんか声・・・大丈夫?」
「大丈夫じゃない。俺・・・なんかフラフラする」
「え!」
「熱あるらしい。だから桃・・・今から俺んち来て。俺の看病して」
「・・・わかった」

と私が答えたのは、和泉さんの声が辛そうだったから。
それは熱出てるせいだろうけど。
だったら、私が行こうと思った。

彼が私を求めてくれるなら、私はそれに応えたい。


< 126 / 150 >

この作品をシェア

pagetop