喫茶の謎解き意地悪紳士2
今日、俺の目の前に現れた女は、書類をたくさん抱えていた。
「阿部刑事。今日からお世話になります。播磨綾華(はりまりょうか)です。」
そう名乗った女は俺の隣の空いていた席に座る。
「お世話になるって……は?どういうことだ?」
「署長から聞いてませんか?新しく捜査一課に配属された、播磨綾華です」
「いや、それは今聞いた」
「では?」
綾華はくりっとした大きな目を、さらに丸くさせた。
黒髪のボブに整った綺麗な顔。
二十代前半だろう。まだ若い。
世で言う美人という分類に入るのだろうが、突然のことに阿部はそこではなく、別のところに気をとられる。