喫茶の謎解き意地悪紳士2
*
詩音は身支度を整えて、家を出た。
舞の家に向かう。
だが、その前に行くところがある。
詩音は商店街を走って通ると、叶亜の喫茶店の前で立ち止まった。
けれど喫茶店は電気が点いておらず、鍵も閉まっており、中に人もいない。
「叶亜さん!……いないの?」
「マスターなら、朝早くからどこかへ行ったよ?」
向かいの八百屋の店主が詩音に言った。
どこか……。まさか!!
詩音は再び商店街を走り抜け、舞の家に向かった。