【短編】甘い嘘
「・・・なに、急に・・・冗談でしょ?」
笑って流すのが精一杯だった。
上手く笑えてたかわからないけど。
それでも修也は表情を変えずに真剣な瞳で私を見てる。
ねぇ、そんな瞳で見つめないでよ・・・。
嘘だって言ってよ・・・っ。
「・・・正直、疲れたんだよね。最近、仕事も忙しくなってきてさ。佳苗にかまってる暇がないんだ。」
言葉が、上手くでてこない。
さっきまで一緒に隣でDVD見てたじゃん。
抱きしめてくれてたじゃん。
・・・キス、してくれたじゃん・・・。