らぶ・すいっち
「じゃあ、順平先生は? カッコいいし、優しいし、お料理も上手。ほら、旦那さんにするにはいいじゃない?」
思わず持っていたタオルを投げつけたいほどの衝撃。
あり得ない。絶対にアイツだけはあり得ない。
私は、首がもげるかと思うほど勢いよく横に振る。ここは、断固拒否だ。
「遠慮申し上げます!」
何を血迷ったのだ、おば様方。同じグループのおば様たちだけでなく、周りの生徒さんまで同意して深く頷いている。
重要なので、もう一度だけ言っておく。あり得ない。絶対にあり得ない!!
しかし、人生の先輩方は若造の言うことなど耳も貸さず、「それがいいわね」と勝手に結論を急いでいる。
待って、それだけは絶対にイヤだ。
盛り上がるおば様たちを抑えようと口を開いたときだった。
背後から低い声が聞こえ、私は眉間に皺を寄せた。