Destiny



店のオープンは19時だと前回に聞いていたから、一度家に帰ってシャワーを浴びた。

お気に入りのトリートメントをして、髪はさらさら。

化粧もいつもより気合いを入れて、普段はあまりしない香水なんかもつけてみた。

芹に貰ったベリー系の香りのそれは、甘いようで酸っぱさが残る爽やかなもの。

身支度を済ませた頃に芹が来たから、軽い夕食を振る舞った。


「ナナ、気合い入ってるじゃない」

「ん、まあ…頑張ってみた」

「ナナは素材いいからね! 普段からそうしてればすっごいモテるのに」

「モテてもそんなに嬉しくないし…」


苦笑いをすると、菜々瀬の事情を知る芹は「そっか」とそれ以上追及しなかった。


「ナナのご飯美味しいから、いい嫁になるよ。
何ならあたしのとこに嫁いで!」

「あははっ、一生芹の面倒看るのはやだなあ」

「うわ、ひどー。おかわり!」

「はいはい」



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