恋の治療は腕の中で
「紗和、俺医院長の顔もう一回見たら病院に戻るよ。

そろそろ戻らないと午後の診察間に合わなくなるからな。」


「分かった。

私はどうすればいい?」


「医院長と話が出来てからこっちに戻っておいで。
そんな慌てる必要ないから。紗和の気のすむまで付いててあげればいいよ。」

私達は、看護師さんに呼ばれて部屋に入る?

「お~。藤堂先生に紗和ちゃん。すまないね、心配かけちゃって。

皆にもきっと心配させてるよね。」

力なく笑う医院長。

顔もなんだか青白くなっている。


「本当に心配しましたよ。

でも先生の話しだとたいしたことないみたあじゃないですか。

もう年なんだからゆっくりと休んで下さい。」

悠文なりの優しさだ。医院長もその事はちゃんと分かっている。

そう言って悠文は病室をでていった。

「紗和ちゃん。病院の方は大丈夫かい?」

こんな時まで病院の心配して。

「大丈夫ですよ。何しろ我が海老名歯科は優秀なスタッフばかりですから。

だから医院長は大船に乗ったつもりでちゃんとご自分の病気を治してくださいね。」

私も悠文にならって心配かけさせまいと精一杯の笑顔で答えた。

「ありがとう。

紗和ちゃんは、やっぱり最高の娘だよ。」

私は嬉しくて医院長の手を握って涙を流した。


「僕は大丈夫だから、紗和ちゃんも病院にお戻り。」

医院長はそう言ったけど、私は無理言ってもう少し側に居させてもらった。

医院長がまた眠りにつくと私は病室をでて職場に戻った。
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