恋の治療は腕の中で
時計の針はもうすぐ5時になろうとしていた。

「ただいま。

すみません。遅くなりました。」


「藤堂先生からだいたいのことは聞いたよ。医院長大丈夫だったか?」

技工士の神保さんが心配そうに話しかけてきた。

「はい。だいぶ落ち着いてきて逆に皆さんのことを心配してました。」

「おーおー。海老名は昔っから人の心配ばかりする奴だからな。

そっかそっか、人の心配出来るくらいなら大丈夫だろう。」


それからは、会社帰りの患者さんで医院は混み始め医院長のことを話す暇もなく診療時間が過ぎていった。


スタッフルームで着替えていると


「医院長大丈夫ですかね?」


「心奈、何いってるの大丈夫に決まってるじゃない。」

「すみません。」

「瑞季もそんな言い方しなくても。

先生は命に別状ないって。でも手術は必要らしいから安心はできないけどね。」


「紗和、医院長ならきっと手術うまくいくよ。」

「うん。」
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