恋の治療は腕の中で
「ところで、藤堂先生のことだけど、心奈何か情報は?」

ここは、CIAそれともFBIなの?

「うーん。さっき私が話したこと以外は特にないんですよね。他の子にも探りをいれてみたんですけど、皆も知らないみたいで。」

あ~KGBね。

「紗和は、診察室で何か聞いてなかったの?」


瑞季がこっちに話しをふってきた。

私は少し躊躇してからさっきあったことを話した。

西園寺麗香さんは、藤堂先生のフィアンセらしいことと、最近会ってくれないからわざわざ病院まできたらしいこと。一応キスのことは伏せておいた。いずれバレルかもしれないけど私の口からは言いたくなかったからだ。


「ふーん。やっぱりフィアンセなんだー。

私考えてたんですけど、この間藤堂先生の歓迎会やったじゃないですか。確かあの時紗和さん酔った勢いで藤堂先生に付き合ってる人いるか聞いた時は「いない。」って、答えてたじゃないですか、あれって嘘だったってことですかね?」

「あー、そう言えば言ってたかも。」


「あの場合嘘つくのは仕方ないんですかね。なにせ紗和さんに絡まれてましたから。」


絡まれてたなんて…… 私ってそんなだったんだ。


「いや、紗和さんは悪くないですよ。むしろ良くやったってとこじゃないですか。」

「なによ、それ。全然フォローになってないんだけど。」

「だって、今まで藤堂先生ってイケメンだけどちょっと冷たくて近寄りがたいって感じだったじゃないですか。でもあの時の対応でスタッフの子達の評判が急上昇になったんですよ。」


そうだったんだ。悠文はそのこと知ってるのかな?帰ったら教えてあげようかな?


…………

考えてみたら私ってあのマンションに帰っていいのかな?だって、本当は西園寺さんがあのマンションに一緒に住む人なんじゃない?

あそこに私の居場所なんて初めからなかったんだ。

< 52 / 163 >

この作品をシェア

pagetop