憎たらしいほど君が好き
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週末に、なってしまった。

「かーすみ」

朝から押しかけてくるのは夕陽しかいない。

生憎お母さんも出かけてて、しかも夕陽はインターホンなんか押すような奴じゃない。


従兄弟ってこういうものなんだろうか。

友達に聞いても『えー汐見くんカッコいいから良いじゃーん』なんて答えしか返ってこない。


「夕陽……不法侵入だよ」

「時間にルーズな親戚を起こしに来て何が悪い?」

それにさぁ、と夕陽が笑う。

「警察は中高生だかの小さな事件なんかで動かない。…霞が一番分かってんでしょ」


「…分かってるよ。ここでそれ持ち出すとかイイ性格してるよね」


忘れられようもない事件。
中学生のイジメは残酷だ。

「ウダウダ言ってないで早く着替えなよ」

「はいはい」


立ち上がる私と入れ違いに夕陽がドッカとベッドに座った。


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