ハコイリムスメ。
「…よお」
「あー!お帰りちとせくん!」




サト、その後ろに葵。



目を疑った。
おかしい組み合わせ、いつもの通路に異物感。
めまい、吐き気、頭痛。



「…に、やってんだよお前!」


怒鳴り声に葵が身を引いた。
激しく怯えた目で俺を見上げているのを感じた。でも、知ったこっちゃない、まさにそんな気分。

もう葵がどうとか、美佐がどうとか、さっちゃんがどうとか、そんな気分じゃないんだ。

関係ない。

裏切り、そんな大袈裟なことを思っているわけじゃない。
怒り、憎しみ、そんな物騒な感情もない。






ただ、悲しくて。






「…ち、とせ?」
「………も、いい…わかった」



俺がいなけりゃいいわけか。






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