清掃員と経営者

なぜ今の事態に陥ってしまったのか解らないまま何週間か過ぎて、我慢はしていたが瑠美は精神的に疲れてきた。

そう言えば契約社員仲間の早紀子も話し掛けてくる事が少なくなった。瑠美の仕事のフォローで迷惑を掛けてるせいなのか、忙しそうにしている。


「おつ。今日一杯行かない?」


イスを滑らせ背中越しに声をかける。


「良いよ。じゃあ立ち飲みバルで、先行ってて。」


早紀子は簡単な会話が終わるとキーボードを叩きながら肩に受話器を挟んで、また忙しそうに仕事を片付けていった。


仕事が終わり反対側のバルで早紀子を待つ。


「お待たせ。」

「おつ。ごめんね急に。」

「分かってる。最近は酷くなってきてるもんね、瑠美は頑張ってるよ。」


早紀子は気付いていた。女性社員からの嫌がらせ、いやイジメに。


「うん…。原因が判らなくて正直お手上げなんだー。」


ワインをチビチビ飲みながら少し愚痴ってしまう。


「ごめん。うちら同僚で庇ってあげたいんだけど、仕事も支障が出てるしなかなかね…。」

「ううん。こうやって愚痴を聞いてくれるだけでも助かる。ありがと。」


力無く笑ってみるものの、いつまで続くのか不安は募る。
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