君が嫌いで…好きでした


一晩中、夢の事が頭から離れなくて
悪い予感しかしなくて待ってる間悪い事ばかり考えて怖かった


長い時間がゆっくりと流れてようやく外が明るくなった



千菜「奏叶…」



私はベットから降りてすぐに支度を済ませて玄関を飛び出した



千菜「奏叶…!」


いつも待っていてくれるアパートの入口
でも奏叶達の姿はなかった


ケータイで時間を確認する


千菜「まだ1時間以上ある…」


私はそこに座り込んだ


早く…早く時間が過ぎてほしい
早く奏叶に会いたい


太陽の光が世界を温かく包み込んで居るのにそれとは正反対で私の震えは止まらなかった


千菜「…奏叶……」


待っている間、ずっと心の中で奏叶の名前を繰り返した…



そして待ち合わせの時間――…



奏叶「千菜!?座り込んでどうしたの!?」



アパートの前で座り込んでいる私を見て奏叶と湊は驚いたように駆け寄ってきた


湊「具合でも悪いのか?」



2人の顔を見てやっと長い悪夢から解放されたように安心した


千菜「ううん…少し早く準備出来たから…」


奏叶「そっか。びっくりしちゃった」


湊「具合悪い時は無理すんなよ」


千菜「うん…ありがとう…」


奏叶「じゃ、行こうか」


奏叶の笑顔を見てやっぱりあれはただの夢だったんじゃないかって思えた
きっと昨日寝る前に変な事考えたから変な夢見たのかもしれない


大丈夫
だって奏叶は言ってくれた


死なないって…ずっと側に居てくれるって…


私は奏叶のその言葉を信じるよ





だけどその日を境に夜はほぼ毎日その夢を見るようになった



夢を見てうなされて起きるの繰り返し
そして段々寝てしまうとその夢を見てしまいそうで寝るのが怖くなっていった


その日も悪夢にうなされて目が覚めた



千菜「…またあの夢…」


もういや…ここ最近ずっとこの夢を見る…


窓の外を見ると月明かりがとても綺麗だった


……このまま寝るのも怖いし…たまには少し気分転換でもしてこようかな…



私はパーカーを羽織って1人夜の外に足を出した


夜の街はとても静かで月明かりと空一面に瞬く星がとても綺麗に思えた

思えば夜に出歩くのは初めてかもしれない
何だか不思議な気分だった


それでも悪夢の不安は消えなかった
私はただ夜の街を歩き続けた



< 108 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop