小さなキミと
『田辺くんの事で話があって、今からちょっといいかな』
そう言うわりには、彼女は田辺の方を見ようともしなかった。
正直服部は、誰であろうと女子とサシで話すのは嫌だった。
だけど、田辺とのことにどうしても納得がいかないという思いもあった。
仕方なく、服部は彼女に付いて行くことを選んだ。
後から考えたら、彼女の言動は変だった。
田辺のことを、服部に話す必要性がどこにある。
*
彼女は屋上へ続く階段を上って、人気のない踊り場で足を止めた。
『私と田辺くんが別れたって、服部くんならもう知ってるよね?』
何だかイラっとくる言い方だったが、
早く終わらせるためと割り切って、服部は素直に頷いた。
『あのね、私田辺くんに酷いことしちゃったの謝りたくって』
だったら直接謝れよ。
つーか謝るくらいなら最初から告白とかしてんじゃねーよ。
服部は女子に暴言を吐く習慣がなかったので、それは声には出なかった。
が、顔には出たらしく、彼女は慌てて言葉を補(おぎな)った。
『もちろん虫のいい話だって分かってるし、謝って済む問題じゃないよね。でも……』
一呼吸おいて、言い訳を始めた。
『あたし本当は田辺くんに告白なんかしたくなかった!
でもナナちゃんとユウコがっ、田辺くんなら絶対大丈夫だからって、でもあたしやっぱり本当はっ』
待て待て待て、どういうことだよ。
告白したくなかったって、なんだそりゃ。
しかも何か、思いっきり人のせいにしてないかコイツ。
服部はますます怪訝になり、彼女は彼女で目にうっすらと涙を浮かべていた。
『本当は服部くんのことが好きなのっ』
意味を理解した途端、服部は頭をぶん殴られた気分になった。
そう言うわりには、彼女は田辺の方を見ようともしなかった。
正直服部は、誰であろうと女子とサシで話すのは嫌だった。
だけど、田辺とのことにどうしても納得がいかないという思いもあった。
仕方なく、服部は彼女に付いて行くことを選んだ。
後から考えたら、彼女の言動は変だった。
田辺のことを、服部に話す必要性がどこにある。
*
彼女は屋上へ続く階段を上って、人気のない踊り場で足を止めた。
『私と田辺くんが別れたって、服部くんならもう知ってるよね?』
何だかイラっとくる言い方だったが、
早く終わらせるためと割り切って、服部は素直に頷いた。
『あのね、私田辺くんに酷いことしちゃったの謝りたくって』
だったら直接謝れよ。
つーか謝るくらいなら最初から告白とかしてんじゃねーよ。
服部は女子に暴言を吐く習慣がなかったので、それは声には出なかった。
が、顔には出たらしく、彼女は慌てて言葉を補(おぎな)った。
『もちろん虫のいい話だって分かってるし、謝って済む問題じゃないよね。でも……』
一呼吸おいて、言い訳を始めた。
『あたし本当は田辺くんに告白なんかしたくなかった!
でもナナちゃんとユウコがっ、田辺くんなら絶対大丈夫だからって、でもあたしやっぱり本当はっ』
待て待て待て、どういうことだよ。
告白したくなかったって、なんだそりゃ。
しかも何か、思いっきり人のせいにしてないかコイツ。
服部はますます怪訝になり、彼女は彼女で目にうっすらと涙を浮かべていた。
『本当は服部くんのことが好きなのっ』
意味を理解した途端、服部は頭をぶん殴られた気分になった。