小さなキミと
「でまぁ剛は、さ。
そーゆー意味で、女子を感じないっつーかなんつーか。
お前は……何か、他の女子とは何かが違うんだよ」


えーーーー!?


思わず叫びそうになったのを、寸でのところでグッと堪(こら)える。


いつになく歯切れの悪い口調で言った服部のその言葉は、あたしにとって相当嬉しいものだった。


ただ、服部はさっきからずっと、口元に手を当てて顔を隠すような仕草をしていて。

どんな表情でそれを言ってくれたのかは分からなかった。


「……さっきのゲーセンでお前来て、正直ホッとして。めっちゃ助かって」


服部は、俯き加減でポツリポツリと言葉を紡(つむ)ぐ。


きっと照れくさいんだと思う。

あたしだって照れくさいよ。


「つまり、オレは別にお前を男だと思ってるワケじゃなくって、えーっと……」


うんうん。それで?


「なにが言いたいかっていうと……
あれ、オレなにが言いたいんだろ」


その瞬間あたしは、ガクッとズッコケたい気分になった。


なんだよそれ。

ちょっといいこと言われるかもって期待したのにな。


まぁ、服部らしいっちゃ服部らしいけどね。


「つまり、服部はあたしを慰(なぐさ)めようとしてくれたワケね。
助けてくれてありがとう、それと……ごめんね、ってこと?」


助け舟のつもりで言うと、服部はチラリとあたしを見上げて小さく頷いた。

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